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1996年夏に、クロロフィルは"グリーンピースの隠された一面"というエッセイを出版し無償で配付した。そのエッセイは、主としてグリーンピースの国際的出版物からとった160以上の引例に個人的意見を加えて編集したものであった。これはグリーンピースにとって見たくないものであり、告訴したのである。
Greenpeace e.V. (脚注 1) は、意見が相違するいくつかの点について、撤回しないと訴訟手続きに入るとFerdinand Engelbeenを脅迫し、クロロフィルに対する抗議を始めた。Engelbeenはこの脅迫に屈しなかったので、結果として、Greenpeace e.V.は彼に対し民事訴訟を起こした。
提訴以後、クロロフィルは、"グリーンピースの隠された一面"というエッセイの配付を自発的に中止し、そして、種々の言語に翻訳して載せていたクロロフィルのインターネット・ウェブサイトの記載を引っこめた。クロロフィルには、何であれ非合法な活動を助長する意志など全く無いのである!
告発された15カ所のうち3カ所と、別の1ヵ所の一部が被告側に受け入れられた。:
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1998年1月16日に開廷されたあと、ハンブルグ裁判所は1998年3月20日に裁定を下した。以下の文章は、その時に発表された文書の許可を得た翻訳からの抜粋である。:
その文書は、裁判所の動機付け(42ペ−ジ)を含む、72ペ−ジで構成されている。以下のコメントでは、この文書は"(本文)"として引用されている。
原告の申し立ての2点、グリーンピースが計画的に世論を惑わせている、また計画的に真実を反映していないことを流布させているという主張は、クロロフィルがその事実を証明出来なかったので敗訴となった。
もうひとつ敗訴したのは、裁判所が容認出来ない意見、あるいは嘘であると判断した引用の部分である。引用は正規の形式で行われ、正確に記録されていた。そのステ−トメントは新聞から引用されたもので、欧州議会議員が表明したものであったが、'環境保護圧力団体'について述べたもので、グリーンピースについてではなかった。
エッセイのいくつかのパラグラフは、アイスランドのプロデュ−サ−Gudmundssonと、デンマ−ク・テレビによって制作されたビデオ・レポ−トになったステートメントやインタビュ−を説明したり、言及したものであった。ハンブルグ裁判所は、そのようなステ−トメントやインタビュ−の全てを、Ferdinannd Engelbeenが今後配布することを禁止する命令を下した。
そして最後に、原告の申し立ての1点は、エッセイに使用されて訴訟の対象になった文言が、裁判所により名誉毀損であるとされた。この部分には、"モル(訳注:moleにはモグラ、盲目の意味もある)"という言葉が関与している。
グリーンピースは、ひとつのセクト(異端)である(訳注:Engelbeenはグリーンピースはcultと言いたかったのであろう)。
これは、容認出来る意見であるので、原告の申し立てのこの部分は却下する。 (脚注 2)
グリーンピースには、軍事訓練を受けた活動家がおり、騒動を引き起こしている。
"軍事訓練を受けた活動家"という文言について、"この供述は、争う余地のない真実である。"と裁判所は述べている。 (脚注 3)
グリーンピースの "政治的論争の中では、自分の意見について、誇張した表現をする権利がある。"という主張は、もしその表現が誤解を与えるのならば、不法なものである。
裁判所は、グリーンピースが反原発キャンペ−ンの広告に使った脳水腫の子どもの写真に関連してこのコメントを出した。 (脚注 4).
放射能が脳水腫の原因にならない事は周知の事実である!
そして
グリーンピースは、塩ビについて半ば偽りである事を広めている事に関しては
裁判所は、この主張は正しいと論証した。(本文 p.30参照)
また、以下の説明をしている。(本文 p.63参照)"読者は、原文の実際の文脈からグリーンピースが誇張した事実を伝えていること、あるいは事実について正しい情報を与えているとしても、全ての詳細を伝えていないこと、またそのためメッセ−ジを受け取った人の心に、少なくとも誤解を与える可能性があることをよく認識している。"
グリーンピースは、これに反論しなかった。(本文 p.63参照):
"しかしながら、被告は充分に実証された方法でこの抗弁を行い、原告は反論しなかった。"
実 例(本文 p.63−64):
"例えば、ドイツのグリーンピースのメンバ−であり、塩ビの専門家として明らかに グリーンピースを代表して活動をしているManfred Krautterは、カナダで放映されるテレビのインタビュ−に答えて、塩ビの燃焼により大量の一酸化炭素ガスが放出されること、またデュッセルドルフ空港の建物の中で人々を死に追いやった危険なガスは間違いなく一酸化炭素である、と述べた。このステ−トメントは、聞いている人々に塩ビが燃焼した時、他のプラスチックより高い濃度の一酸化炭素を発生する、特に危険なプラスチックであるという印象を与える。
しかし、デュッセルドルフ空港の火災を調査した専門家の委員会報告書によれば、塩ビが一酸化炭素を発生する可能性は、一般によく使われるプラスチックであるポリスチロ−ルとほぼ同じ位である。実際にはポリスチロ−ルは塩ビより速い速度で燃焼し、結果として塩ビより早い速度で一酸化炭素を生成する。これゆえ、Manfred Krautterが行ったステ−トメントは、塩ビ本来の特性を誇張したものであり、真実は半分しかないものとみなし得る。その上グリーンピースが、一般に塩ビが自己消火性であり、難燃性材料と記述されている事実に対し、明らかに沈黙を守っていることは、争点となった被告のステートメントの流布が正当であることを証明している。"
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"…この見方が誤りであるとしても、それは、意見の容認できる表現である。"
"…グリーンピースが故意に、空港の火災と塩ビとの関連について真実でないステ−トメントを示したと述べる事は出来ない。"
"付け加えると、被告が、プラスチック倉庫での火災の時に、グリーンピースが出したプレス・リリ−ス(付録B18,"Lengerich町"参照)について言及している範囲では、その反対意見は説得力のあるものではない。たとえそのプレス・リリ−ス中の主張が(プレス・リリ−スが出された時期に、Lengerich町でグリーンピースより高いダイオキシンの値が測定されたことから、専門家たちが考えていたよりも、大量のダイオキシンが発生していたとのステ−トメントが)真実ではなかったとしても、このことは原告が争っているステ−トメントを正当化するものではない。まず最初に、被告の弁明書によれば、そのステ−トメントは塩ビについての嘘に違いないと言うことである。しかしながらそれは、当局者が持っていたとされている推測について、真実でない主張が1点だけ含まれているにすぎない。次に、プレス・リリ−スが出された時グリーンピースは、当局者たちがダイオキシン値を心配していることを知っていた、と述べるだけの根拠は無い。それゆえ、そのステ−トメントは"準備なしで"出された可能性があり、嘘をついていたことにはならない。プレス・リリ−ス中で、とりわけ塩ビが最も環境にとって有害なプラスチックであり、ダイオキシン測定値が高いと述べられている限り、この訴訟においては許容可能な意見である。"
特別な場合:
グリーンピースの告訴の第11項目は、Greenpeace e.V.がこのエッセイを熟読していないと、裁判所が明白に結論付けた点で特異的なものである。
確かに、Greenpeace e.V.は、次の文章を繰り返し述べることが禁止されるべきであると要求した。
"自然保護という高邁な任務を装いながら、その組織が実際には利益を得ることに専念している事実と、環境と科学が単に口実として利用されている事実を、グリーンピースは隠してはいない。"
しかしながら、裁判所は次のような根拠によりこの告訴を却下した。(本文 p.68−p.69):
"その上、原告の要請は、実際に起こった法律違反を包含しておらず、原告には召喚状の形で差し止め命令を求めることは出来ない。(段落11)差し止め命令の要請は、実際の法律違反に基づくものでなければならない。すなわち、差し止め命令の要請対象は、法律違反者が言いふらした承認しがたいステ−トメントに限定される(BGH,GRUR,1984,593参照)。この条件は、本件に当てはまるものではない。なぜなら、原告は被告のふたつのステ−トメントを結合してひとつにし、被告が述べていないステ−トメントを含むようにしているからである。被告は問題のプレス・リリ−スの中でふたつのステ−トメントを述べている。すなわち、ひとつは、自然保護という高邁な任務を装いながら、その組織は実際には"利益を得ること"に専念しており、また高潔な市民感情を利用しているが、その実環境と科学は単に口実として利用されている、というステ−トメントである。そして、もうひとつは、グリーンピースのキャンペ−ンの対象はそれらにより得られる財務上の利得により注意深く選ばれているという事実を、グリーンピースは隠してはいない、というステ−トメントである。被告は召喚状中に原告が述べたステ−トメントとは反対に、グリーンピースが実際には利益を得ることに専念しているということを隠していないと主張してはいなかった。"also"と言う文言がこの文脈に入っている限り、この文章は、グリーンピースがふたつの申し立てを秘密にしていないということを意味していない。しかし読者たちがこの文脈の根拠を、グリーンピースに対してふたつの申し立てが提起されているという事実、つまりグリーンピースが実際には"利益を得ること"に専念 しているという申し立てだけではなく、さらに彼らのキャンペ−ンがそれらにより得られる財務上の利得によって選択されているという申し立てが提起されているという事実に暴いているのである。
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この訴訟と法廷での動機付けから、私たちは、次のように推論している。:
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原告に関する興味ある記述が、法廷の文書に記録されている(本文 p.6):
"原告は国際的な環境保護団体である。ドイツでは原告に加えて、いわゆる環境保護活動のみを行っている'Greenpeace Deutsche Sektion e.V.'という組織が存在し、また'Greenpeace Umweltschutzverlag Gmbh'と言う組織も存在している。さらに、オランダには、アムステルダムに事務所を持つ'Stichting Greenpeace Council'という組織があり、これは国家単位の組織を統括する国際機構の一種である。従って、このことは'Greenpeace Internatinal'についてもいえる。この組織は、'グリーンピース'と'Greenpeace International'というトレ−ドマ−クの保有者である。原告は、ドイツに於けるこれらのトレ−ドマ−クの独占的権利保有者である。"
""グリーンピースはひとつのセクト(異端)である。"(召喚状段落 14)というステ−トメントについて、原告が請求した差し止め命令は、これが意見の容認できる表現であり、認められない。"
"さらに、原告には召喚状で要請した禁止を行う権限は無い(段落 8)。 原告と被告の間で、グリーンピースには数百万の同調者と軍事教練を受けた活動家たち(少なくともPaula HuckleberyとMathew Whitingの場合は明白である)が所属しており、このことが騒乱を引き起こしている、という点については争われなかった。"
"グリーンピースに軍事教練を受けた活動家たちがいることの効果について、原文中に直接含まれている主張は、議論の余地の無い真実である。"
"誇張した表現が−今回のケ−スは広告宣伝のケ−スであるが−政治的論争でのつばぜり合いの場面で使われても許されるであろうと、原告が示唆したことは間違いである。今回がこのようなケ−スに当たるとしても、この原則は故意に誇張した表現をすることにより、一般大衆に偽りの印象を与えることが容認される、という意味ではない。"
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このペ−ジは、クロロフィルのレベル 1にあります。
創設:1998年9月20日