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ダイオキシンの発生源

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お と ぎ 話

ゼロとは全くのゼロを意味している。ダイオキシンの排出量は、減少させるのではなく、全くゼロにしなければならない。…従って、ダイオキシン排出量はゼロ以外受け入れられないのだ。…

グリーンピースのレポ−ト'ダイオキシン・ゼロを達成しよう'−1994年7月発行 [1].

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詳 細 な 情 報

論 説

有史以来ダイオキシンの放出量がゼロになったことなど無く、今後もゼロなることは決してないだろう。もし全くのゼロを目指すのなら、塩素を使っていようといまいと、全てのプロセスを止め、また全ての燃焼、暖房を止め、そしてグリーンピースの船も含めて全ての交通機関を停止しなければならない。

このペ−ジの構成

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オランダでのダイオキシン発生源

オランダでは、ダイオキシンが発生する可能性のあるほとんど全ての発生源の明細書が、オランダ国立の科学研究機関であるTNOによって1991年に作成された。この機関は、実に多くの測定を行った。全ての廃棄物焼却炉、全ての塩素工業について測定が行われ、また他のいくつかの発生源についても測定が行われており、それらデ−タから大気への排出総量が推定されている。
全ての発生源について、排出ダイオキシン量を減らす多額の設備投資が完了した後の、2000年に見込まれるダイオキシン排出量についても、この機関は推測している。その結果は、次の通りである。

1991年の大気へ排出されるダイオキシン測定及び推定量、並びにダイオキシン排出を減らす多額の設備投資が完了した後の、2000年に見込まれる排出量
全ての数値は、1年間当たりのグラム・ I-TEQ (国際毒性等価量)で示されている。

オランダでのダイオキシン排出量
プロセス 1991 2000
都市ゴミの焼却: 382.0 3.0
焼結プロセス: 26.0 3.0
過去に使ったPCP(ペンタクロロフェノ−ル)より: 25.0 20.0
化学廃棄物の焼却: 16.0 1.7
木材の焼却: 12.0 9.0
交通機関: 7.0 2.6
金属工業: 4.0 4.0
石炭と褐炭の燃焼: 3.7 3.7
高温プロセス(例えば、ガラス): 2.7 2.7
医療廃棄物の焼却: 2.1 0.0
電線とモ−タ−の焼却: 1.5 1.5
廃油の焼却: 1.0 1.0
塩素及び塩ビ工業を含む
全ての化学品生産プロセス:
0.5 0.5
バイオ・ガスとスラッジの焼却: 0.3 1.5
アスファルトの混合: 0.3 0.3
火葬: 0.2 0.2
合計: 484.0 54.7
出  典:RIVM/TNOのオランダにおけるダイオキシン発生源のリスト [3].

この表から、今日の塩素工業全体のダイオキシン排出量が、オランダ全体の総排出量の1000分の1よりも少ない数値であることが、お判り頂けるでしょう。
以前木材の処理に使われ、今は使用が禁止されている ペンタクロルフェノ−ル が、何年も前には不純物としてダイオキシンを含んでおり、これだけが今後も長年にわたってダイオキシンの排出が続く原因になると見られる。


フランドル地方でのダイオキシン発生源

フランドル地方(ベルギ−北部)に関しては最近の測定結果がある。:

1995年における大気中へ排出されるダイオキシンの測定及び推定量 :
全ての数値は、1年間当たりのグラム・ I-TEQ (国際毒性等価量)で示されている。

フランドル地方でのダイオキシン排出量(大気中)
プロセス 1995

1997
変 動
変  動
桁  数
デ−タ
範 囲
都市ゴミの焼却: 187 9.2 0 0
建物の暖房(主に、木材): 122 53 2-3 0
非鉄金属工業: 107 67.3 2 1
医療廃棄物の焼却: .95 0.48 1 1
焼結プロセス: .53.2 118[*] 2 0
生石灰炉: .33.4 . 2 0
産業廃棄物の焼却 .20.9 17.5 1 1
セメント焼成炉: .20.8 . 2 0
工業用熱源: ....7.00 3.4 2 0
電気炉鋼: ....6.42 . 2-3 0
偶発した火災: ....2.56 . 2 2
コ−クス工場: ....2.31 . 1 0
交通機関(自動車): ....1.71 1.1 1 0
発電: ....1.07 1.47 2 0
スラッジの焼却: ....0.75 2.35 1 1
火葬場: ....0.19 0.12 1 0
塩素と塩ビモノマ−の生産: ....0.05 0.025 1 0
バイオ・ガスの燃焼: ....0.012 . 2 1
紙の漂白: ....0 . 2 1

合    計:

662 274 . .
出 典:ダイオキシン関係書類,VITO,1995年発行 [4],Mira-T,1999年発行[59]

変動桁数: 近似プロセスに関する、数十年間の測定値の変動
デ−タ範囲: 0=多かれ少なかれ、測定から正確に得られた値
1=完全には分かっておらず、推測を含めた値
2=正確なデ−タではなく、推測値

[*]この数値は鉄鋼部門全部を含む


水中へのダイオキシン排出源についても調査が行われている。:

1995年における水中へ排出されるダイオキシンの測定及び推定量
全ての数値は、1年間当たりのグラム I-TEQ (国際毒性等価量)で示されている。

フランドル地方でのダイオキシン排出量(水中)
プロセス 1995 変 動
変  動
桁  数
デ−タ
範 囲
焼結プロセス: 3.19 2 0
コ−クス工場: 0.23 2 0
塩素と 塩ビモノマ−の生産: 0.222 1 1
火葬場: 0.19 1 0
生ゴミの焼却: 0.0575 1 1
産業廃棄物の焼却 0.021 1 1
偶発した火災: 0.015 2 2
紙の漂白: 0 1 0

合計:

3.77 . .

固体廃棄物中のダイオキシン測定値の総合計量は、485g I−TEQ/年であり、97%以上が都市ゴミ焼却場から発生したものであった。


英国でのダイオキシン発生源

英国におけるダイオキシンの発生源は次の通りである。:

1995年の大気へ排出されるダイオキシンの測定及び推定量
全ての数値は、1年間当たりのグラム・ I-TEQ (国際毒性等価量)で示されている。

英国でのダイオキシン排出量
プロセス 1995 将来、予想される
最大値
精度
最小 最大
都市固体ゴミの焼却: 460 580 ...15 H/M
医療廃棄物の焼却: ...18 ...88 .....5 H/M
石炭の工業用燃焼: .....5 ...67 ...67 H/M
焼結プラント: ...29 ...54 ...47 M/L
交通機関: .....1 ...45 ...45 H/L
鉄鋼業: .....3 ...41 ...14 M/L
非鉄金属工業: .....5 ...35 ...10 M/L
火葬場: .....1 ...35 ...35 H/L
家庭での石炭の燃焼: ...20 ...34 ...34 L/L
家庭でのまきの燃焼: .....2 ...18 ...18 L/L
通常の火災: .....0.4 ...12 ...12 L/L
セメント工業: .....0.2 ...11 ...11 H/M
わらの焼却: .....3.4 ...10 ...10 L/L
化学工業廃棄物の焼却: .....1.5 .....8.7 .....0.3 M/M
汚水スラッジの焼却: .....0.7 .....6 .....0.9 H/H
埋め立て処理場の排ガス 焼却: .....1.6 .....5.5 .....5.5 M/L
工業用途の木材の焼却: .....1.4 .....2.9 .....2.9 M/L
廃油の焼却: .....0.8 .....2.4 .....2.4 M/L
石灰の生産: .....0.04 .....2.2 .....2.2 H/M
コ−クスの生産: . .....2 .....2 H/M
タイヤの焼却: . .....1.7 .....1.7 H/H
アスファルトの混合: .....0.047 .....1.6 .....1.6 H/M
木材処理用の PCP(ペンタクロロフェノ−ル): . .....0.8 .....0.8 L/L
殺虫剤の生産: .....0.1 .....0.3 .....0.3 L/M
セラミックの生産: .....0.02 .....0.06 .....0.06 H/M
ハロゲン化化学製品: . .....0.02 .....0.02 L/M
ガラス生産: .....0.005 .....0.01 .....0.01 H/M
炭素電極の再生: . .....0.006 .....0.006 H/M

合計:

560 1100 350 g I-TEQ/year
出  典:英国における大気へのダイオキシン排出量と将来の傾向. [10]

精度: 推定精度のレベルを示した値。最初の文字は、英国の生産時のデ−タの精度レベル、2番目は、排出デ−タの精度レベル。:
H=高い,M=中間,L=低い


米国でのダイオキシン発生源

米国においては、1994年にダイオキシン発生源に関するおおざっぱな推算がなされたが、その値は1998年初めにより正確な測定値を加え更新されている。:

米国EPAによる1998年の大気中に排出されるダイオキシンの平均推定量
全ての数値は、1年間当たりのグラム・ I-TEQ (国際毒性等価量)で示されている。

米国での大気中へのダイオキシン排出量
プロセス ダイオキシン
都市ゴミの焼却 1100
家庭でのゴミ焼却 [*] 1000
ゴミ埋め立て場での不慮の火災 [**] 1000
金属精錬 543
医療廃棄物の焼却 477
森林火災、山火事、わらの焼却 208
都市汚水スラッジ固形物の焼却 207
木材、石炭、自動車 205
セメント・キルン 171
鉄鉱石の焼結[**] 100
その他 42
塩ビ工業 11
出 典:米国EPAのダイオキシン明細書草案 1998 [53]
[*] 家庭でのゴミ焼却の評価,米国EPA,1997年11月 [54]. 次の項目参照
桁数推定値
[**] ダイオキシン明細書に対する専門監閲委員会のコメント
桁数推定値

煙突、廃水処理場、スラッジ処理場について、また米国で生産される二塩化エチレン/塩ビモノマ−/塩ビの全プロセスに関し、排出ダイオキシンの大部分が測定された。異なった環境区分への排出量についても、米国EPAの推定値と比較することができる。

塩ビ工業からの各環境区分への平均的ダイオキシン排出量を総概算値で比較した結果:
全ての数値は、1年間当たりのグラム・ I-TEQ (国際毒性等価量)で示されている。

塩ビ工業vs.ダイオキシン総排出量
環境区分 塩ビ工業 [*] 全発生源 [**]
空気 11.3 2,745
排水 0.6 20
土壌 0.7 208
製品 3.1 25,050
合計 15.7 28,023
[*] 米国塩ビ協会が調査した二塩化エチレン/塩ビモノマ−/塩ビ生産プロセスからのダイオキシン排出量 [55].
[**] 米国EPAのダイオキシン明細書草案 1998 [53]

"製品"中にダイオキシン量が多かった理由は、製品寿命期間中の生分解を防止するため行われた、木材及び他の天然生分解性製品の防腐処理によるものである。

グリーンピースは、彼等自身で作成した塩ビ工業からのダイオキシン推定排出量を、米国EPAに提出した。その推定量は、"盗み出した"生産廃棄物中のダイオキシン量を基にしたものである。そのような廃棄物は工場から出ることはなく、一般に場内で焼却されている。この種の廃棄物を燃やす焼却炉からの排出量は、上表に含まれている...


米国での家庭ゴミのドラム缶焼却

米国EPAは、農業地区で今でも極めて普通である裏庭での家庭ゴミ焼却についていくつかの試験を行ってきた。この目的のために、EPAは2つのシナリオを用意した。そのひとつは、家庭用ゴミ箱の中身をなんでも燃やしてしまうリサイクル非実行者であり、もうひとつは熱心なリサイクル実行者で、リサイクルできる物質はなんでもリサイクルする人である。リサイクル非実行者は、1家庭当たり一日平均4.9kgのゴミを出すが、熱心なリサイクル実行者は1.5kg/dayしかゴミを出さない。両方のシナリオでのゴミ組成は、現実的な推定を行うと全く異なっており、以下のような結果となった。試験1と2が熱心にリサイクルを行っている家庭の結果で、試験4と5がリサイクルを全く実行していない家庭の結果であり、試験3がブランクである。

家庭ゴミ用ドラム缶焼却からの排出量の測定
数値単位は右欄に示されている

ドラム缶焼却試験の結果
ゴミ撰別タイプ 熱心なリサイクル実行者 リサイクル非実行者 単 位
試験番号 1 2 4 5
ドラム缶底部の最高温度 440 300 740 640 C
ドラム缶上部の最高温度 280 500 300 650 C
ゴミ中の塩ビ 4.5 4.5 0.2 0.2 %
目標とされた揮発性有機化合物 2916 1189 6147 2408 mg/kg
暫定的に確認された揮発性有機化合物類 5373 2636 17517 11262 mg/kg

      〃         のうちベンゼン類

1068 378 1765 708 mg/kg
塩化ベンゼン類 287 1728 416 423 mg/kg
多環芳香族炭化水素類 23.51 24.44 82.36 49.71 mg/kg

     〃         のうちベンツピレン

1.12 0.23 3.12 1.12 mg/kg
アルデヒド類とケトン類 218 69 3958 1629 mg/kg
微粒子及び気相中のダイオキシンの合計量 0.493 0.0462 0.0523 0.0363 mg/kg

     〃  のうち2,3,7,8同位体の量

0.113 0.006 0.046 0.035 mg/kg
EPA-TEQ (EPAの毒性等価量)
で示したダイオキシン量
2.769 0.172 0.157 0.067 ug/kg
気相中のPCB類合計量 1.01 0.93 3.08 2.63 mg/kg
10μm以下の微粒子 7.46 4.18 21.28 16.23 g/kg

     〃  のうち2.5μm以下の微粒子

6.93 3.58 20.07 14.8 g/kg
微粒子状銅の推定排出量 15.02 6.18 2.16 0.57 mg/kg
気相中の塩酸量 3.28 1.51 0.48 0.09 g/kg
出典:裏庭での家庭ゴミ焼却の評価,米国EPA,1997年11月 [54].

コメント:
米国EPAの研究者たちによれば、裏庭での家庭ゴミ焼却から発生するダイオキシン排出量は、ゴミに含まれる塩ビの量、焼却温度、銅のような微量元素によって影響を受ける可能性がある。文献から私たちは、焼却物中の塩素と塩ビの含有量がダイオキシン発生にほとんど影響しないが、温度、銅のような金属類、微粒子量が多大な影響を与えることを知っている (ダイオキシン生成の化学を参照して欲しい。).
この表も私たちの知見と合致している。熱心なリサイクル実行者のゴミ中の塩ビ量が20倍も高いのに(なぜ塩ビがゴミに残っているのか不可解である。塩ビは他のもの同様にリサイクルできるのではないか!)、試験2で発生したダイオキシン量は試験4,5とほぼ同じである。違う傾向がある試験1を含めたとしても、ゴミ中の塩ビ量はダイオキシン合計量とわずかな相関関係(相関係数:0.58)があるだけで、毒性のある2,3,7,8同位体だけを考えに入れた場合は、塩ビが多いとダイオキシンが減る負の相関(相関係数:−0.52)があるではないか!微粒子状の銅含有量と、微粒子量との組み合わせには、より密接な相関が存在する(相関係数:0.95)。更に気相中の塩酸濃度と組み合わせると、ほぼ完全な相関関係(相関係数:0.997)が存在するのである。
しかし、たとえ別の影響を全く考慮しなかったとしても、投入塩ビ量とダイオキシン生成量に直接的な関係がないことがわかるはずである。それは、投入される塩ビ量が22倍に増えても、生成されるダイオキシン量は6倍にしかならないからである。

全ての焼却あるいは火炎で見られるように、ここでもまた、ダイオキシン排出量よりも多環芳香族炭化水素(PAH)排出量の方が重要であることが認められる。これは毒物学的妥当性により議論されるべきものであり、全ての場合でベンツピレン量から計算した発ガンリスクは、塩ビが大量に焼却された時でさえ、 I-TEQ (国際毒性等価量)表示でのダイオキシン量から計算した発ガンリスクよりも、80−500倍高いのである。

もっと重要なのは、たった1世帯の裏庭でのゴミ焼却による汚染が、37,000世帯のリサイクルを行っていない家庭か、121,000世帯のリサイクルを行っている家庭のゴミを焼却するフルスケ−ルの都市ゴミ燃焼炉[MWS]の汚染と、等しいかそれを上回っているという事実である...グリーンピースや他の環境保護団体は、ダイオキシン発生源として都市ゴミ焼却炉を指摘することで、時間を無駄にしているように思われる。このような活動はもっと上手に出来る。つまり、裏庭でのゴミ焼却を(すでにベルギ−のフランドル地方で行われているように)禁止すべきなのである。それとも、裏庭でのゴミ焼却に反対する行動を起こすには、環境団体はメンバ−が足りないのだろうか?


カナダでのダイオキシン発生源

1999初めに, カナダ環境庁は、カナダでのダイオキシン発生源の明細書を発表した。.

1999年カナダでの大気中へのダイオキシン排出量 [*]:
全ての数値は、1年間当たりのグラム・ I-TEQ (国際毒性等価量)で示されている。

カナダでのダイオキシンの大気放出

プロセス 1990 1997 1999 [*]
都市ゴミの焼却 204.0 152.0 82.2
まきの燃焼 (住居用) 35.7 35.7 35.7
製鉄業: 焼結プラント 42.9 42.9 23.5
パルプと製紙: 塩分を含む木材を燃焼させているボイラー 10.5 10.5 10.5
鉄鋼.: アーク炉 9.1 10.2 10.2
ディーゼルエンジン (自動車) 8.7 8.7 8.7
石油暖房 (住居用) 7.0 7.0 7.0
発電 3.4 4.6 4.6
廃材の燃焼 (製材工場及び紙パルプ工場) 4.4 4.4 4.4
セメントキルン 2.6 2.8 2.8
病院の焼却炉 8.3 2.5 2.5
化学品生産(大気放出) 2.2 2.0 0.3
使用中の電極 1.9 1.9 1.9
木材の防腐処理施設 1.8 1.8 1.8
危険廃棄物の焼却炉 2.1 1.3 0.8
パルプと製紙: クラフト紙の廃液ボイラー 0.7 0.7 0.7
連邦政府の焼却炉 1.3 0.6 0.6
電子アーク炉による製鋼所 0.4 0.5 0.5
下水スラッジの焼却炉 0.3 0.3 0.3
卑金属の精錬 0.1 0.1 0.1
再生・副生鉛の精錬 0.1 0.1 0.1
バイオメディカル廃棄物の焼却 4.9 0.0 0.0
精油所 (続報参照) . . .
合計 353 290 199
出典: ダイオキシン、フラン、ヘキサクロロベンゼンの
排出量明細書
Environment Canada, January 1999 [57].
[*] 1999 = 予想値


海洋船舶から排出されるミクロの汚染物質類

3隻の巡航船舶に関する研究で、そのダイオキシン排出量が、1年間に数十万トン塩ビを生産する最新の塩ビ工場から排出されるダイオキシン量に匹敵することが明らかになっている。 [5]

3種類の巡航船舶の排気分析:

船の種類 使用燃料 発生量
出力 燃料の
種類
燃料中の
塩素量
HCB+PCB dioxin
I-TEQ
PAH mononitro
PAH's
単位 kW . mg/kg ng/m3 ng/m3 ug/m3 ug/m3
フェリー: 4,895 fuel 11 40 0.15 78 5.9
ライン河のはしけ船: 772 gasoil n.d. 165 0.03 41 0.3
コンテナ船: 19,750 fuel 1.2 60 0.10 21 2.2

n.d.= 検出限界以下

PAHは、塩素化されていない多環芳香族炭化水素類であり、そのうちいくつかの物質は大変強力な発ガン物質である。それのニトロ化されたものの中には、いままで発見された化合物の中で最も強い発ガン性と変異原性を示す化合物が存在する。

もし、商業的に使用されている1隻の船舶について、1kw・year当たり平均1トン燃料を使ったとすると、次のような年間排出量を計算することができる。

運航されている3種類の船舶の年間排出量:

Ship HCB+PCB dioxin
I-TEQ
PAH mononitro
PAH
単位 g mg kg kg
フェリー: 7.8 28 15.3 1.16
ライン河はしけ船: 5.1 1 1.3 0.01
コンテナ船: 47.4 79 16.6 1.71

コメント:
比較のため示すと、私たちが働いている年間50万トンの塩ビ製造工場が平均的に排出するダイオキシン量は、50mg/yearにすぎない...


自然のプロセスから発生するダイオキシン

森林火災は、自然界でダイオキシンが発生する原因のひとつである。推定値には、1年間に数グラムというものから数キログラムというものまである。確かにダイオキシンは数千年前のレッドウッドの樹皮の中や、6,000年前のヒトの体内から発見されている。森林火災が自然界でのダイオキシンの大きな発生源であるかどうかは、明らかではない。最近米国で起こった鶏肉のダイオキシン汚染事件では、汚染ダイオキシンの起源が、ヒトによる発生源に影響されていない、数百万年昔の粘土地層にあることがわかった。 [18].
また面白いことには、ダイオキシンを生成する完璧な生物学的ル−トが存在する。多くの木材腐朽菌とキノコ類の約半数が、リグニンを分解するため塩素化及び酸化ル−トを使っている。リグニンは、全ての植物に強靱性を与える接着剤として働いている。それら菌やキノコは、エネルギ−の源になるセルロ−スに到達するために、このようなル−トが必要である。これらの生物は食塩からの無機塩素を、非常に効率良く有機塩素化合物類に変換する。有機塩素化合物は主にメチルクロライドであるが、塩化フェノ−ル類や同様の化合物も生合成されるのである。
この普通に行われている生物学的木材リサイクルの残渣が、水中のフミン酸と塩素化リグニン、及び土壌中の塩素化腐植土と塩素化フェノ−ル類となる。なんと後者は、オランダの法規制値よりも約7倍以上も高い値になるのである [8]! 塩素化フェノ−ル類からダイオキシンへのル−トは非常に簡単であり、多くの微生物が産出する過酸化水素があれば簡単に生成される。この結果、古い焼却炉や他の過去の発生源がある'ホットスポット'を除くと、土壌中のダイオキシン最高蓄積量は、工業地域や交通の激しい地域ではなく、森林地域で見つかっているのである。
性能の悪い焼却炉は、焼却炉中に入った(周辺で濃縮された)ダイオキシン量とほぼ同じ位のダイオキシン量を排出する。一方、性能の良い焼却炉では、99.9%かそれ以上ダイオキシン量を減少させるが、なんと都市汚水スラッジの微生物分解や、微生物による自然の有機物質の堆肥化では、ダイオキシンの量を3倍にも増加させるのである!おそらくこれは、天然の塩化フェノ−ル類を酸化する、どこにでも存在する同じ生物学的ル−トにより生成されるものであろう。

違った場所の土壌中から発見されたダイオキシン. 全ての数値の単位は、 ng I-TEQ/kg(乾燥土壌)で表されている。

違った場所の土壌から発見されたダイオキシン
場所 平均値
都市下水汚泥: 62
森林中の土壌: 26
工業地域の土壌: 17
微生物処理による堆肥: 14
路肩の土壌: 8
畑の土壌: 3.5
出典: Dioxin - Neuere Erkenntnisse zur Toxikologie und Epidemiologie [9].


世界規模のダイオキシン排出明細書

国連環境計画 (UNEP) が、ダイオキシン/フラン(PCDD/F)の発生源の公式の明細書をまとめたひとつの明細書を作成した。[60]. 先進諸国の明細書だけをまとめたものであるが、世界規模での排出量を概略知ることが出来る。いくつかの傾向が認められるが、主に焼却炉からの排出への厳しい法規制により、大部分の国々でダイオキシン量が急激に減少している。判明しているダイオキシン排出量と、測定された世界中のダイオキシン堆積量に基づいて推定された総排出量の間には、まだ大きな差がある。
土壌中のダイオキシン(PCDD/PCDF)総堆積量は、1年間に総計12,500±1,300kg(I-TEQではない!)と計算されている。海洋での堆積量に関しては世界規模でのデ−タは無く、デ−タは限られており、南極大陸での限られたデータと未検出とのデータは、遠隔地の堆積量がゼロに近いことを示している。それゆえ私たちは、海洋での堆積量として、ダイオキシン(TCDD/F)の総計610±1,500kgを追加している。これで世界中でのダイオキシン(TCDD/F)総計は、13,100±2,000kgとなる。ダイオキシン総計からI-TEQへの換算係数として1/60を使用すると、年間堆積量は、220±30kg I-TEQ/yearとなるだろう。

先進国での既知のダイオキシン発生源の概算から、地球規模での排出量を計算し直すと、ダイオキシン(TCDD/F)の総計が3,000±600kgとなり、これはおおよそ50±10kg I-TEQ/年となる。この数値は、上記年間堆積量の4分の1より少ないとは、どういうことだろうか。…私たちの印象では、バイオマスの燃焼、特に森林火災が過小評価されているため、と考えている。:

地球規模でのダイオキシン(PCDD/F)排出量(基準年1990年)
プロセス 排出係数
総計 μg/kg
生産量
Mton/yr
総排出量
総計 kg/yr
参照
廃棄物の焼却 13 87 1,130
セメント・キルン (+危険廃棄物) 2.6 260 680
バイオマス燃焼 0.04 8700 350
鉄系金属の生産 0.5 700 350
セメント・キルン (危険廃棄物無し) 0.2 1600 320
医療廃棄物の焼却 22 4 84 [*]
再生・副生銅の精錬 39 2 78
有鉛ガソリンの燃焼 2800 3800 11 [**]
無鉛ガソリンの燃焼 320 3800 1 [**]
総 PCDD/F kg/yr 3000
I-TEQ PCDD/F kg/yr 50
出典:ダイオキシンとフランのリスト,国連環境計画,1999年5月 [60].

[*] 排出係数と生産デ−タは、米国のみ
[**] 排出係数の単位=pg/kg,プロダクション単位=km/yr

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代替品

どんな焼却あるいは加熱方法を採ろうと、化石燃料によるどんな加熱方式を採ろうと、また輸送機関にどんな燃料を使おうと、燃焼物質中の塩素量とは関係なく、ダイオキシンの排出が起こるのである。 塩素含有量とダイオキシン排出量. というペ−ジを参照して欲しい。そしてダイオキシンの排出なしには、どんなものも生産されず、リサイクルされず、焼却されないのである。 種々の材料のライフサイクル中に放出されるダイオキシンというペ−ジを参照して欲しい。
過去の放出量を除けば、今日では塩素工業と塩素製品は、ダイオキシンの最も少ない発生源の中に入っている。


結論

塩素を使うプロセスを、塩素を使わないプロセスと差別扱いする理由などひとつも無い。 そして現在の塩素工業を、環境へのダイオキシンの大量排出源として、いいがかりをつける理由など全く無いのである。
塩素と塩ビ工業がダイオキシンの発生源であるとする主張には、0.1%の真実しかなく、99.9%は真っ赤な嘘である。そして、家庭でのまきの燃焼や金属工業といった膨大なダイオキシン発生源を、全く攻撃せず、ダイオキシン問題の'解決'のために、塩素と塩ビ工業の完全な終焉を要求するのは、環境問題における原理主義ではないだろうか。

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このペ−ジは、クロロフィルのレベル 2にあります。

創設:1996年3月2日
最新更新:1999年9月28日

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